オリーブオイル・バルサミコの輸入会社|ヴィボンコラム

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この研究により、Kritchevskyらが先に行った研究の成果も確認されました。この研究は215℃で20分間加熱したオリーブオイルまたはコーンオイルに2%のコレステロールを溶かし込んでウサギに与え、その影響を調べたものです。(258)これらの実験から、Kritchevsky らは、コーンオイルを加熱するとオリーブオイルよりはるかにアテローム発生率が高くなると結論づけています。

 胆管への影響に関してはCharbonnierの研究があります。(259)この研究では200℃で3時間加熱してもオリーブオイルの胆嚢運動促進作用が失われないことが示されました。具体的には健康なボランティアの十二指腸にバージンオリーブオイルをそのまま、または加熱後に40ml注入したところ、その胆汁分泌及び排出の促進効果や胆汁の組成には全く違いが見られなかったというものです。対照的に、不飽和度の高い他の油を用いた場合、加熱により効果に違いが認められました。

 Varelaらはオリーブオイルを揚げ油として用いた場合、どのように食材に浸透していくかを調べました(244、260、261)。その結果、他の油脂がほとんどすべての食材に浸透するのに対して、オリーブオイルは食材の表面にとどまることが示されました。また、肉やイワシなどを10回揚げた後に使用してもオリーブオイルの消化の良さは変わらないことも報告しています。(262,263)

 以上の知見をまとめると、油を必要以上に長く加熱しなければ生体に有害な作用をもたらす物理化学的変性は生じないといえます。家庭では通常、加熱時間が限られており、油を繰り返し使いこともありませんので、この意味では安全といえます。しかし、揚げ物料理店では加熱時間が長く、油も来り返し使用されますので、同列には論じられません。もっとも、そのような店の商品を頻繁に口にするのでなければ、非常な高温で長時間加熱した脂肪を毎日与えられた動物に見られるような障害は起こるべくもありません

 オリーブオイルが熱酸化に対して最も劣化しない油であるということは、細胞や生体を用いた試験で証明されています。オリーブオイルのこのような特性は、バランスの良い脂肪酸組成と豊富な抗酸化物質によりもたらされるのです。

著 ・ 監修
Publio VIOLA プブリオ・ビオラ  
元ローマ大学医学部教授 ローマ・サンジョバンニ病院内科医長 
Accademia Nazionale dell’Olive dell’Olic において1998〜2014同アカデミアの会長を務める


以上の「オリーブオイルと揚げ物料理」はIOC国際オリーブ協会が2001年に日本語で出版された「オリーブオイルと健康」から抜粋したものです。「オリーブオイルと健康」はオリーブオイルが人間に与える影響を医学的、化学的な専門家による多くの実験をとおして得た結果からつくられたものです。

これらの研究成果は現在も通用する優れたものですが、出版から20年以上経過した今、油脂への加熱によってトランス脂肪酸という問題が生じてきていることから、これについての情報を以下に追記します。なお、トランス脂肪酸については農林水産省から基本的な解説がNET公開されています。

トランス脂肪酸とは油脂の変異した脂肪酸のことで、多く摂取することによって生活習慣病、心臓疾患のリスクがあることから、脂肪の摂取量が多い欧米では規制をしている国もありますが、日本では国としても脂肪の摂取量が欧米ほど多くないことから今のところ問題視していない状況ではあります。

トランス脂肪酸は天然では牛や羊などの反芻動物(複数の胃をもつ動物)では胃の中の微生物の影響でトランス脂肪酸がつくられるため肉や乳製品に微量ですが含まれます。

人工的には二つの原因がありますが一つ目は油脂の加工で、液体の油を固形の脂にする場合、水素を添加することによってつくられます。植物油からつくるマーガリンなども水素添加の一例です。
もう一つは、油脂を精製する脱臭工程で、水蒸気により高温で加熱される段階でつくられます。この加熱によるトランス脂肪酸の発生は、製品化した油脂を加熱しても増えていきますが、以下の実験
の結果を見てもわかるように加熱に強いオイルはオリーブオイルです。


オリーブオイルにおいてトランス脂肪酸の変化が最も少ない理由を証明する試験結果等はありませんが、熱酸化に対して最も劣化しない油であることと同様に、バランスの良い脂肪酸組成と豊富な抗酸化成分を含んでいることと考えられます。

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